経済的秩序は、通常は、単に社会的秩序の一機能にすぎないものである。部族社会においても、封建制においても、あるいは重商主義体制のもとにおいても、すでに見たように社会において別個の経済システムが存在したことはなかった。経済活動が分離され、その活動の動機を独特の経済的動機に帰することのできる一九世紀社会は、類を見ない過去からの決別を意味していたのである