直接的な感覚のなかで我々の感官にこびるものは、すべての印象に対して我々の弱く移ろいやすい心を開いてくれますが、同時にその分だけ、奮励努力にむかう力を減殺します。我々の思考力を緊張させ、抽象的思考を誘うものは、我々の精神を強化して抵抗力をつけますが、同時にその分だけ精神を頑なにし、そして独立性の強化に役立つに比例して感覚性を奪ってしまいます。それゆえにまた、どちらの場合も最終的には涸渇に終るのです