最初の自然的状態にある人間は、感性界を単に受動的に受入れ、感覚するだけであるかぎり、彼もまたこの世界と一体であり、また彼自身が単なる世界なのですから、彼にとってまだいかなる世界もありません。彼がその美的状態において世界を自分の外に立て、あるいは観察するときはじめて、自己の人格性が世界から分離し、また彼が世界と一体であることを止めるために、一つの世界が彼に現れるのです