彼の欲望の現実、ラカンのいう〈現実界(現実的なもの)〉──この場合でいえば、父親の根本的な罪悪感を暗示している「ぼくがやけどしているのがわからないの?」という子どもの父親にたいする批難の現実──は、いわゆる外的現実そのものよりも恐ろしい。だから彼は目覚めるのだ。恐ろしい夢の中で姿をあらわす、自分の欲望の〈現実界〉から逃れるために