商品Aが自分の価値を表現するには、自分を別の商品Bと関係づけなければならない。すると、商品Bは商品Aと等価になる。価値関係において、商品Bの自然形態(その使用価値、実際の経験的特性)は、商品Aの価値形態として機能する。言い換えると、商品Bの本体はAにとって、自分の価値を映し出す鏡となる。こうした考察に、マルクスは次のような注釈を加えている──このことは商品の場合と同じように人間の場合にもある程度あてはまる。人間は手に鏡をもって生まれてくるわけではない