単純観念のレヴェルでは、言葉によって指定される種〔species〕の唯名的本質と実在的本質とがぴったり一致しており、それゆえ意味論的ないし認識論的な問題はまったく存在しないようにみえる。ここでは観念は単純で非分割的であるがゆえに、言葉と存在物とのあいだ、特性〔property〕と本質とのあいだに、原則的には隙間や動揺など存在するはずがない、というわけである