ルソーが理想化する諸アカデミーの構成員たちは(...)彼の告発した「いかさま師たち」の「虚しい学問」とは根本から違うのである。「虚しい学問」は幻想であり虚栄であり見かけの知識でしかなく、しかも、実在と仮象との分離を疫病のように広めてゆく。だがアカデミー構成員たちの真の知識は、そのような存在論的裂傷を、少なくとも彼らの間では癒し去り、疎外を克服して、外見と内的現実との一致を回復させるのである