ラッセル
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本論文の末尾にて「旧い十戒」を廃棄する意図からではなく、ただ補足し,「新しい十戒」を広めたいとの思いから,「自由人のものの見方の精髄」として、次の十項目を発表した。(引用) 一、何事も絶対確実だと思い込んではいけない。〔この世に絶対確実なことなどありえないからだ。〕
二、何事も証拠を隠してまでして、物事をはこぶ価値があると考えてはいけない。なぜなら、そういた証拠は必ず明るみに出るものだからだ。
三、成功を確信しても、考え続けることを決してやめてはいけない。
四、反対意見には、家族の反対でも、議論で説得し、権威で勝とうとしてはいけない。権威を使っての勝利は、真の勝利ではなく、単なる幻にすぎないからである。
五、他人の権威を尊重するには及ばない。なぜなら、それが尊敬に値しない権威であると露見するのが普通だからである。
六、有害と思う意見を力で抑圧してはいけない。なぜなら、もし力で抑えれば、それらの意見は(将来)同じようにあなたを抑圧するようになるからである。
七、自分の意見が並外れたものであっても恐れてはならない。なぜなら、現在当り前と思われている意見はいずれも当初は並外れていたからである。
八、嫌々ながら賛成するよりも、良く分別を働かせて異議を唱える方が良い。なぜなら、もしあなたがあるがままに知性に価値を認めるならば、前者よりも後者の方がより深い同意を意味するからである。
九、たとえ真実が不都合なものであったとしても、どこまでも良心的に真実に忠実であるべきである。なぜなら、もしあなたが本当のことをかくそうとすると、もっと都合が悪いことになるからである。(真理観)
十、愚者の楽園に暮らす人々の幸福を羨ましがってはいけない。それを幸せだと考えるのは愚か者だけだからである。 私たちは人類に絶滅をもたらすか、それとも人類が戦争を放棄するか? -戦争を廃絶することはあまりにも困難であるという理由で、人々はこの二者択一という問題を面と向かってとり上げようとしないであろう。〜私たちの前には、もし私たちがそれを選ぶならば、幸福と知識の絶えまない進歩がある。私たちの争いを忘れることができないからといって、そのかわりに、私たちは死を選ぶのであろうか? 私たち(宣言署名者)は、人類として、人類に向かって訴える― あなたがたの人間性を思い出し、そしてその他のことを忘れなさい、と。もしそれができるならば、道は新しい楽園へむかって開けている。もしできないならば、あなたがたのまえには全面的な死(全体的破滅)の危険が横たわっている。