パラケルスス
ケルンテン三部作第一部
1538/8/19『七つの弁明』
ケルンテン三部作第二部
1538/9/3『医師の迷宮』
大宇宙、存在論的次元の先駆性
哲学者が先に進み、その次が医師である、ということに注意してもらいたい。要するに、書物では最初に来るものとして大宇宙が先に来なければならないのだ。それでもやはりそのすぐ後には、大宇宙と比較されるものが来なければならない。生成の種類に関してだけでなく、場所、すべての経過と秩序、天の記述コスモグラフィア、地の記述ジオグラフィアについても精通しておく。その限りでは自然物へと導かれるはずだからである。天の記述だけでは十分でなく、地の記述だけでも十分でない。それら二つがなければならない。世界にとって「二」とは、大宇宙マクロコスモスと小宇宙ミクロコスモスのことである。像として目に見えるものによっても、像の元の実物によっても惑わされてはならない。このことは、「哲学者が仕事を終えるところから医師の仕事が始まる」と述べた人たちによってよく言われてきたことである。これがどのようになされるかと言うと、哲学者が天と地において、さらにあらゆる生成物において大宇宙を認識したときに、小宇宙ミクロコスモス[人体]を理解する知識を手に入れる、というようになされる。このような哲学と教えを心得ていない人は人体ミクロコスモスを認識することができない。
病気が生まれながらに備わっているなら、どの病気に対しても有効な医術も、人間に生まれながらにして備わっている。