パノフスキー
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イコノグラフィーは美術史の一部門であって、美術作品の形に対置されるところの主題・意味を取り扱うものである
美術作品において主題、意味には三つの段階が区別できる。イコノロジーはこのうち最後の層を扱う。(引用) 自然的主題
1 自然的主題。これは美術作品の形(色・線、三次元的形状・・・)を、何らかの自然的な対象の表現として認めること、またそれら対象の相互関係を出来事として認めること(以上、「事実的意味」の認識)、そしてその出来事において何らかの表現的特質を(感情移入によって)知覚すること(「表現的意味」の認識)を含む。その記述は「イコノグラフィー以前」の記述である。
伝統的主題
2 伝習的主題。この層の認識では、先でいうモティーフはイメージとして認識され、その組み合わせ(コンポジション)は「物語・寓意」(ストーリー・アレゴリー)と呼ばれる。この把握、イコノグラフィーによる解釈は、以下のようなものである。
内的意味・内容
3 内的意味・内容。先の二つの層の分析によって把握されたモティーフ・イメージ、物語、寓意をそれぞれ「根本的原理の表出」として理解される。そうした根本原理について下記のように論じる。 この意味はイコノグラフィーのように「美術作品それ自体」を取り扱うのではなく、その美術作品をある人格、社会、文化といった、他にも限りなく多様な作品(=徴候)に特殊化される「なにか別のもの」(根本的原理)の一徴候として解釈するときに把握される意味である。こうした解釈の方法は本書で「イコノロジー」と名付けられる。