テンニース
「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト』
ゲゼルシャフト:諸個人が利益追求という協約によって結ばれた機械的な人工物であり、全体社会の為に諸個人は労働に寄与するも、契約と交換の形式である「商品」によって所有される。その社会関係の媒介として貨幣が、社会成員の主体の側における擬制として使用される
人々はあらゆる結合にも関わらず、依然として分離し続ける
基礎的関係
私的領域の神聖化と他者への否定的態度
マルクスの影響
テンニースの『ゲマインシャフトとゲゼルシャフト』(初版一八八七年)が、とりわけその「ゲゼルシャフト」論をマルクス「資本論』第一巻にもとづいて展開しているのは周知のところである。彼は「ゲゼルシャフト」内部で形成される集団を「ゲゼルシャフト的結合体」と呼び、その特徴を選択意志(Kirwille)にもとづく「目的社会(Zweckgesellschaft)」である点に見る。そのもっとも純粋な表現が、株式会社という「資産のアソシェーション」である。「株式会社は選択意志にもとづくすべての可能な社会的な法的形成体のうちの完全な典型である。なぜならそれは生成から見ても、ゲマインシャフト的要素をまったく混えないゲゼルシャフト的結合体であるからである」(第三巻第一四節)。これに対して「ほとんどは資産を持たない人々の連合化(Vereinigung)」である「協同組合」を、テンニースはゲゼルシャフト的形式の下でのゲマインシャフト的原理の復活と見て注目し、高く評価している。「それによって、ゲゼルシャフト的生存諸条件に適合した姿で、ゲマインシャフト的経済の原理が新たな生命を獲得したのである」(第三巻第一四節への補遺)。