シンボリック相互作用論
N. K. デンジン
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第一は、理論と方法に関わる批判で、シンボリック相互作用論の鍵概念(例えば「自我」)の曖味さ、理論として 非体系性、そして、「質的方法」などの調査方法論の非客観性・非科学性が問題視された。
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第二は、非構造的バイアスと呼ばれる批判で、シンボリック相互作用論はミクロ主義のであり、マクロな構造的問題や事象(歴史、経済、政治、 制度など)を十全に扱えないのではないかとされた。
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第三は、第二と関連してシンボリック相互作用論の政治性ないしはイデオロギー性を問題にするもので、シンボリック相互作用論はミクロ主義であるがために、ミクロな状況を成 り立たせているマクロな構造・体制に無批判ではないか、 また、イデオロギーとしてアメリカン・リベラリズムを無自覚に受容してしまっているのではないかとされた。
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第四は、感情の等閑視という批判で、シンボリック相互作用論は、過度に合理的で意識偏重の行為(者)像をもつため、 感情的要因を無視しているのではないかとされた。
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第五は、 古典解釈の問題で、以上の問題点の多くが、シンボリック相互作用論の源泉とされる「シカゴの伝統」(プラグマティズムやシカゴ社会学)への誤解・誤読に端を発するのではないかという批判である。