シェーラー
1915
『人間の理念について』
ある意味において哲学のあらゆる中心の問題は人間とは何であるか、また人間は存在、世界、神の全体のなかで、どのような形而上学的立場と状況を占めているかと云う問題に還元される
。古来、多くの思想家が、常に「万物のなかにおける人間の位置」をあらゆる哲学の問題設定の出発点と考えたことは決して不当なことではなかった。すなわち「人間」の本質及びその存在の形而上学的な場所の位置づけを出発点と見なしたのである。