クラストル
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グラアニ族の神話
〈一〉と〈二〉
〈一〉とは「不完全なもの」であり悪、人間の世界が神々の世界から切り離され、不完全なものとして存在することを指す。
同一性原理が厳格に適用される場~欠けるところのあるものの王国、有限なものの空間
対して、人間が同時に神でありえる 〈二〉は善として扱われる
すでに人間でもないしまた神でもない。それ は、〈一〉によって自らを言い表すことのない平等な者たち、神=人間、人間=神のみである
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グラアニ族の神話
〈悪なき大地〉と〈悪しき大地〉
人間はそもそも神と本性を同じくする者(人間=神)として〈最初の大地〉に住んでいいた。だが近親相姦の禁忌によって神の空間であるイウイ・マラ・エイン―〈悪なき大地〉―と、人間の空間であるイウイ・ムバエメグア―〈悪しき大地〉不完全な大地―に徹底的に分離され、両者はそれぞれ一方は他方の外に位置づけられる。そして人間のあらゆる努力は、この分離を解消し、人間を神々と引き離しているこの無限の空間を飛び越えようと試みることにある。つまり宗教的移住である。 これはつまり『国家に抗する社会』でいう〈一〉=悪しき大地・〈二〉(=悪なき大地)である。そしてグラアニ族にとって絶食、踊り、祈り、瞑想などの行為はこの思想の実践としての試みということ。 自分たちを神と本性を同じくする "ジェグアカヴァ=身を飾った者"であると信じるグアラニ族の人びとは、 〈悪しき大地〉を去って、神々と共に〈悪なき大地〉に生きることを求め続ける。16世紀の初頭、 ヨーロッパ人たちが南米に上陸した頃から1912年まで下記を移動を実践していた。 インディオたちがカライと名づける男たちが、部族から部族、村から村へとさまよい、この世界が悪しきものであると宣言し、不死のものごとの国、 神々が住まう国、〈悪なき大地〉に到達するために、この世界を捨て去らねばならないと倦むことなく声高に叫び続け~地上の楽園を熱狂的に求めて、しばしば西から東へ、日が昇る方角へと移動し、そしてまたしばしば反対方向へ、日の沈む方角へと移動(していた)