アドルノ
奴隷たちよ、生を呪ってはならない
ベンヤミンのカフカ論を読んだアドルノは、オドラデクのうちに「有機的なものと無機的なものの境界を取り払い、 宥和させる」というモティーフ、あるいはさらに「超越する」というモティーフを見出すべきではないかと言ってい る。
序文
第一部
「脱呪術化」の弁証法
古来、進歩思想という、もっとも広い意味での啓蒙が追求してきた目標は、人間から恐怖を除き、人間を支配者の地位につけるということであった。しかるに、あます所なく啓蒙された地表は、今、勝ち誇った凶徴に輝いている。啓蒙のプログラムは、世界を呪術から解放する事であった。神話を解体し、知識によって空想の権威を失墜させることにこそ、啓蒙の意図したことであった。
言語・芸術・宗教の可能性