われわれが知っている世界歴史においては、ギリシア・ローマ世界の文化がわれわれの紀元の初めごろにはじめて、人間の魂をこのような状態に追いこんだと思われる。生の目的体系がひどく複雑になり、行為と思考の系列がはなはだしく多岐にわかれ、生の関心と動向が大いに膨張して非常に多くの条件に依存するものとなったために、いまや哲学的意識の自覚のなかにも、大衆の愚鈍な衝動のなかにも、生一般の目的と意義を求める不安な探究が呼び起こされるように見える