たしかにシュミットは、ホッブズとは根本的に異なるやり方で自然状態を規定している。ホッブズにとって自然状態は、諸個人の戦争状態である-これに対して、シュミットにとって自然状態は集団(とりわけ国民)の戦争状態である。ホッブズにとって、自然状態では万人が万人に対する敵である-これに対してシュミットにとって、すべての政治的行動は友と敵に向けられている