ことによるとゼーレにとって幻想とは、有機体にとっての酸素と同じように、重要な生の形態・不可欠のもの・なのかもしれない。われわれが「幻想」と呼ぶものは、ことによるときわめて重要な意味をもつ心的事実なのかもしれない。ゼーレはおそらくわれわれの現実という範疇のことなど気にかけないのであろう。ゼーレにとって何よりも現実的だと思えるのは現に作用しているものである