けれども街はよそよそしいし、通りにも馴染めないままだ。この病を治癒する薬はない。だから橋に身もたせかけながら待つのだ。真理がわたしのもとを去り、空虚で虚構に満ちたじぶん、知的な生来のじぶんにふたたび戻ることができるのを。こんな状態はほんの一瞬しか続かず、もう過去のことになった