ああ、みなさん、僕はこのようにして、夢ならぬ現実の不幸のために流す涙の味を知ったのです!長い聞めあてを持っていなかった僕の情念は、はじめての餌食と言ってよいこの現実の不幸に向かって猛然と飛びかかっていきました。僕は、胸に溢れるばかりの悲しみのうちに、思いがけない満足感とも呼べるべきものさえ味わったのです。そして、秘かな喜びの気持を感じながら、僕は苦悩が快楽とは違って、汲めども尽きない感情であることを悟ったのです