『失われた時を求めて』の鉄道の旅においては、決して全体が見えるわけではなく、眺める観点にも統一性はない。むしろ全体や統一性は、ただ横断線の中にあって、旅行者は夢中になって窓から窓へと移動し「途切れたり対立したりするもろもろの断片を近づけ、あるいは移しかえようとして」、このような横断線を描くのである