「史的唯物論は、社会の物質的土台とその上部構造との関係を究明した。これは的確な社会解剖学である。しかし、さらにこまかく見れば、おそらく両者の間に物質的土台から分泌される皮膜状の界域の存在を想定すべきではなかろうか。そしてこの界域は同時にまた上部構造の乱射にも身をさらしている」(*9)というわけである。旧来の「マルクス主義的」マルクス解釈の久陥がここに明瞭に現れているように思われる