乗合馬車が二台あって、一方の馬車の馬が言うことを聞かず、下り坂で私たちの馬車を追い抜かしたことがあったが、彼は馬をからかって、「おいおい、お前さんより先に呑んじまうぞ」と叫んだものだ(もし呑むためでなければ、どこへ行こうというのか、というわけだ)。同類みたいな酒呑みと彼が二人で話をしていたときがあり、私はたまたまそれを聞いていたのだが、連中の話題はワイン売り場についてとか、封を切って飲み始めたばかりのワイン樽の話とかばかりだった