ヴィルヘルム、ぼくらの心にとって、愛なき世界とはなんだろう? 明かりがともっていない幻灯機と同じだ! ところが明かりを入れると、たちまち白い壁に色とりどりの像があらわれる! それがほんのつかのまの幻影であっても、その前で無邪気な子どものように不思議な映像に魅了され、いつだって幸福を味わえるじゃないか。(...)_。──どうか笑わないでくれ。ヴィルヘルム、ぼくらを幸せにしてくれるのは幻影ってことでいいだろう?