フーリエは同様に、特定のエロス的傾向・固着へも眼を配っており、彼はこれを恋愛的奇癖と呼んだ。「奇癖は種々の情念の縮小型(diminutif)であり、刺激を作り出したいと思う人間精神の欲求の結果である」。たとえばフロイトなら、足フェチや踵掻き(gratte-talon)の奇癖を神経症の徴候とみなすだろう。だがフーリエにとってこれらは真正の欲求の発現であり、彼のユートピアにはこれらの占める場所がある