もし雄牛が敵を表わしているなら、この光景は破壊と苦悩のみが支配し、単なる嘆きであるにすぎない。それではレジスタンスというより、単なる感傷であって、共産主義の理論では否定される類の芸術であるから、共産主義に共感するピカンの意図するところとは考えられない。したがって《ゲルニカ》の雄牛は、不撓不屈なスペイン人民の精神の希望の象徴でなければならない