ぼくは肩をすくめて、同意しつつこうつづけた。「けれども、そこにも例外はある。たしかに盗みは罪悪だ。しかし自分と家族を餓死から救うために盗みをはたらいた人間には同情すべきだと思うが、やはり罰するのかい? 不実な妻と不届きな間男に当然の怒りをぶつけて死に追いやった夫に、だれが石を投げるかな? 歓喜に満ちたひと時に、愛の喜びを抑えきれずに我を忘れた娘がいるとして、それを責められるだろうか? 法律という冷酷な代物だって、心を動かされて、罰することを控えるだろう」