──そして恋人は娘を捨てる。──娘は愕然とする。感覚を失って、奈落の前に佇む。まわりはすべて闇。希望もなく、慰めもなく、復讐心すら湧かない。一心同体だと思っていた男に捨てられたのだからむりもない。娘にはもはやなんの希望もない。心にぽっかり空いた穴を埋めてくれる人ならおおぜいいそうなのに、ひとりも目にとまらない。そして孤独を感じ、寄る辺ない存在だと思う