RustでFnを返す関数の戻り値で静的ディスパッチされるようにしたい (マクロ + Nightly使用)

#Nightly_Rust #Rust #マクロ

何がしたいか？

以下のように関数を返す関数みたいなものを作ろうとしたときに、impl Traitを使ってもコンパイルエラーする。

code:rs

// 注：以下はコンパイルエラー

fn myfun(x: i32) -> impl Fn(&str) -> i32 {

match x {

0 => |s: &str| s.len() as i32 * 10,

1 => move |s: &str| s.len() as i32 + x,

_ => |_: &str| 152,

}

以下はコンパイルエラーのメッセージ。

https://gyazo.com/54b62d00b35a24aae2884a1aba5ac06e

恐らく、戻り値のFnが異なりサイズも異なるためエラーしてしまうのだと思う。Boxなどで包むと割と簡単に解決できるが、静的ディスパッチしたいので今回はBoxは避けたい。

関数型言語なら関数を返す関数はスムーズに作れることが理想なので、なるべく非直感的なコードを書いたり記述量が増えることは抑えたい。

解決策

解決策の一つとして、auto_emunsというライブラリが使える。

https://gh-card.dev/repos/taiki-e/auto_enums.svg https://github.com/taiki-e/auto_enums

https://github.com/taiki-e/auto_enums

発見元: Rustで複数のimpl Traitを返す - Qiita

発見元記事にはこのマクロの動作の説明などもある。

依存関係は以下だけ。

code:Cargo.toml

...

dependencies

auto_enums = "0.5"

変更点は以下のコードを上に加えるだけ。

code:rs

#!feature(fn_traits)

#!feature(unboxed_closures)

use auto_enums::auto_enum;

#auto_enum(Fn)

fn myfun(x: i32) -> impl Fn(&str) -> i32 { // この行より上を加えている

...

以下は、コード全体。

code:rs

#!feature(fn_traits)

#!feature(unboxed_closures)

use auto_enums::auto_enum;

#auto_enum(Fn)

fn myfun(x: i32) -> impl Fn(&str) -> i32 {

match x {

0 => |s: &str| s.len() as i32 * 10,

1 => move |s: &str| s.len() as i32 + x,

_ => |_: &str| 152,

}

fn main() {

println!("{}", myfun(0)("hello"));

println!("{}", myfun(0)("abc"));

println!("{}", myfun(1)("hello"));

println!("{}", myfun(100)("hello"));

}

Nightly Rustが必要（Nightly Rustのインストール方法）。Cargoだと以下で実行。

$ cargo +nightly run

以下のような出力が得られる。

code:出力結果

152