長谷川侑香「LOOP」
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計画敷地は、皆が集い楽しむことのできる羽根木公園の一角。この公園はアスレチックや野球場、梅林や茶室など幅広い施設が集まった規模の大きい公園である。
そこで幼稚園自体を公園内の『ひとつの大きな遊具』と考え、子供たちの能動的な行動を引き出す“豊かな遊びや学びの場”とした。
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▲ダイアグラム
別物であった屋根と大地をつなぎ、さらに立体的な回遊ができるようにした。
そうして出来た建物は地形が変化するように、大地が隆起し屋根となり、屋根も大地の一部となる。
そして、これは子供たちの大きな遊具となる。
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地面から立ち上がる大屋根を、園児たちは自由に駆け巡る。
また、屋根の上と各園庭は滑り台や吊り橋で繋がれており、行き来することができる。
このように大屋根や園庭をめぐる際に、他の友達の様子が見えたり、他の子たちとの交流が生まれ、園児の好奇心を駆り立てる。
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▲1,2階平面図
主な園児の居場所となる保育室・遊戯室は大円側に、事務室や外部の人が訪れる子育て支援スペースは小円側に集約した。
保育室の上部にのみ階段状スラブの2階があり、そこから大屋根に出ることができる。
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▲1,2階の関係・構成
「1階と2階」、「2階と屋根」の間で立体的な交流が生まれる。
2階は子供の身長に合わせ天井高を低めに抑え、階段状スラブにより様々な空間を生むことで、子供たちにとって秘密基地のような場所になる。
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▲断面図、立面図
大地から立ち上がった躯体が大屋根となり、大屋根が大地ともなるこの幼稚園で、子供たちは能動的にあそびを発見して成長していく。
講評:幼稚園の屋根を遊び場とする場合、地面と切り離された場となりがちであるが、立体的な♾型のプランとすることで地面とひとつながりとなる屋根を実現させた提案。非常に強い形でありながら、園児の活動が能動的で発見の多いものとなるよう、こまやかな配慮をもって細部まで設計し、変化に富んだ魅力的な場を作りきっている。(都留)
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