細田祥太郎「暮らしの中に」
https://gyazo.com/17a80e28c73ed08540454b809294c740朝倉文夫の作る猫の彫刻は、どれも何気ない日常の一瞬を切り取るように表現したものである。
故に、彼らを日常空間の中に住まわせることによって最大限に作品の魅力を引き出せると考えた。
https://gyazo.com/95b183f8ce0702e98b1b087d53ad8d8f△展示する彫刻、アクソメ図
https://gyazo.com/ef7669e85d939c2982d8079828cd5fcf△各階平面図、立面図、断面図
https://gyazo.com/466751c745795a176d454d24db6995e0作品の持つほのぼのとした印象を活かすため、ゆるやかに時間が流れるような和室を考えた。https://gyazo.com/93445e2dd5a948207a817d7bb99926eb
https://gyazo.com/043657ec2213f8128b308da94771db2f老いた猫が「俺も昔はこの庭で遊んだなぁ」と思い出に浸っている縁側。横に腰かけ、彼と同じ景色を眺められる。https://gyazo.com/c75d33a965c7d8058acc414349dc1066
https://gyazo.com/32701b3f293476b6a37c59298bbfa110「原題不明(狙う)」は狙う獲物が表現されていない。このギャラリーでは、猫が棚の下に隠れた獲物を狙っており、その正体は見た人の想像に委ねる、という配置をした。https://gyazo.com/ddb0fe43393e71c27aaa35ae938dfa95
https://gyazo.com/31f70ae796079545cd6fb78bfe5968c1大きな壁の持つ圧迫感を無くすため、本棚で壁を作り、上部には空の見える窓の役割を与えた。https://gyazo.com/432360a124372685a442c130ce97ef3b
https://gyazo.com/0b897989d46545321319e218b16d04d8元気な猫が狩りをしている庭。庭をはさみ、縁側で静かに余生を過ごしている猫と対比した。https://gyazo.com/5b7578997a13a55f90754cda1aa06880
https://gyazo.com/6b97f3ae7840170c7d2019eebf4e0199入口から出口まで、順路に沿って猫の足跡が続いている。この足跡は「たま(日好)」まで続いており、「この子がここまで案内してくれていたのか」と、まるで本当に猫が動いていたかのように感じさせる。
画像出典
「親子猫」
「背伸びする猫」「愛猫病めり」「たま(日好)」
「原題不明(狙う)」
「のび」
「居眠る猫」「よく獲たり」
「眠り」
https://gyazo.com/5b8c24dd05cd429efd15fc4facfc4a3c
講評:朝倉文夫は数多くの猫の作品を残していますが、それらは写実的な等身大の像であり、生きた猫がそこにいるかのようです。そんな猫を集めたギャラリーとして、細田さんは、朝倉が生活していた日常の空間を延長させることを選びました。その生活空間のなかでこそ、その猫たちが魅力的に見えると考えたのです。朝倉の自宅が「朝倉彫塑館」として使われていることもあり、その生活空間の断片を、造形的な手腕によって再構成することで、さまざまな場を持ったギャラリーを成立させています。(佐藤慎也)