秋山真緩「ちいさな芸術家たちのいえ」
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創造性と学び生きる権利において、子どもと大人は対等である。レッジョエミリアの考え方を建築に反映し、地域との繋がりを生みつつ、子どもと大人の関係性を再認識できるような空間を設計した。
「こどもたちの百の言葉」が体現するレッジョエミリアの教育方針は、敷地の公園にあるプレーパークの自主性の考え方にも重なる。ハコを崩し組み合わせることで、子どもたちによって遊びの空間がどう生み出されていくのか、創造性が掻き立てられる場を作りたいと考えた。
https://gyazo.com/c2d7359b6a96a2bdfbf3f8c681ec43f3東側から子どもたちが遊ぶ様子が見える。
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レッジョエミリアの考えを取り入れ、建築に反映させる。
基本的にレッジョエミリア教育の3つの視点が軸となり、さらにここから派生させ、地域とのつながりを生むプログラムを提案する。
(必ずしもレッジョエミリア教育の施設である必要はなく、利用する人々に良い影響を与えられると考えている。)
https://gyazo.com/eeaf149319a812ca907d32a93eb8fc86各階平面図
レベル差によって園の子どもたち、園の利用者、一般の人などの行動範囲を区切り、セキュリティを確保する。
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形態のダイアグラム。
遊びを生む空間を作るために、構造体の操作としてハコを崩した。平行四辺形のボックスを作ることで、一つのボックスにつき4つの性質の異なる空間ができる。
https://gyazo.com/bf63ee23afe9127b74d8b8c391408e5cのぞく角度が変わると、様々な面が現れ、多様な活動の様子が見える。
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それぞれの活動に合わせて作られたボックスを、全体として回遊性が生まれるように配置し、屋根と階段でつなぐ。
公園にもともとある木々はそのまま残し、敷地の外側から視線が通るようにする。緩く仕切りつつ、園内のにぎわいが街にあふれだす。
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ボックスのつなぎ目となる階段や屋根のつなぎ空間により、先が見え隠れする。奥性を持った上下の移動が楽しい建築となる。
形がもつ街への影響として、住宅側と公園側に対し、ボリュームのグラデーションをつくり、高さや斜面の向きによって街に溶け込むように配慮した。
講評:レッジョエミリアの保育思想から出発しながら、ダイナミックな形態へと昇華させていった力作。建築は、シンボリックな複数の立体とそれを半分覆うように巻きつくスロープで構成される。立体とスロープを同じ強さで存在させ、また立体の壁を斜めに倒すことで生まれた余剰・隙間により、図式的な分かりやすさが解体され、複雑で懐の深い建築になっている。手を動かし続け、また生活者へのまなざしを持った彼女だからこそ到達した造形である。(井本)
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