矢島琴乃「羽根木食堂」
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『羽根木』という名前から、人々が鳥のように集まる、大きな木の根の広がりをイメージして計画した。子ども食堂の課題解決のために、 まずは「知ってもらう」という初歩的な観点に着目したそのため、この空間が足を運びたくなるような、馴染みや居場所であるべきだと考えた。この敷地は羽根木公園の一角であるということ、裏のない敷地であることから、公園的要素と裏のない、どこから見てもオープンな外観で設計をした。
ダイアグラム
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食堂の空間、遊び場の空間、団欒の空間、休む空間、4つに大きく分けた空間を、根を張り巡らせるようにして繋げて、いくつかの動線を作る。異なる目的で訪れていたり、通り抜けの道としての目的でも、他が必ず見えて結びつきを感じさせる。
構造設計
1本で繋がった根が、 食堂を中心にして、 多種多彩な用途として使われる。
高さを持つ構造部分もあるため、居る場所、立つ場所によって空間の見え方や広がりが変わる。
誰にでもその場にいるだけでワクワク感を与えることができる。
模型写真例:上段左から カウンターテーブル・ベンチ・スロープ ・食卓・遊具・ベッド
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内観スケッチ
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立面図・断面図・平面図
スロープにもなるこの構造体は立面的に見るとアップダウンが激しい。しかし、敷地を広く使っていることやカーブしていることから、急勾配な部分はほとんどない。サッと登ってサッと降りれるスロープである。敷地の中央付近はほとんどが高い設計になっているため、複雑なイメージがあるこの空間にも広々とした開放感が得られている。
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講評:このウェブサイトだとわからなくなっているが、実際のタイトルは羽根木食堂の「根」が大きく表現されていて、ニヤリとする良いタイトルだった。自由にうねる根っこのような板を敷地いっぱいに張り巡らせ、どこからでもアクセスできるようにしている。根っこが、遊具、歩道、子供食堂、テーブル、ベンチなど全ての要素を包含している。これは発明だと思う。同じ羽根木公園内には迷路やプレイパークのようなワイルドな遊び場があり、この場所に根っこが加わることに違和感も感じない。根っこを覆うくらいの大きな樹木をもっと植えて、根っこと木を戯れさせたらもっと良かったのではないか。(倉本)
KENCHIKU SHUKAN EXHIBITION 2021