町田駿之介「ひとと、ときを、感じて。」
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武蔵野市西久保にある西久保コミュニティセンターの建て替え計画。
敷地の周辺は野鳥の森や玉川上水などがあり、人と自然が共存している。また既存のコミュニティセンターでも年間を通じて様々なイベントが行われ、地域の拠点として機能している。その一方で次の3つの問題点を見つけた:1、建物の老朽化。2、施設で行われている活動が見えないこと。3、敷地全体をうまく使えていないこと。これらを解決するために次のことを行った:1、コールテン鋼を各部に用いることで時間の変化とともに多様な姿を見せる建築としたこと。2、建築全体を通してガラスを用いて透明度を上げること。3、活動の入物となる間仕切りを1階の各部に挿入したこと。4、斜めの動線を取り入れ人々が敷地全体を様々な方向で移動するようにしたこと。これらの操作によって多様な活動を発信し、街と共に変化する建築となった。
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間仕切りの使われ方。あるときは勉強するブースになったり、ギャラリー、掲示板になったりする。イベント時には屋台の入物として機能する。
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1階平面図。斜めの動線を取り入れ、人の動きを敷地に浸透させる。機能の決まっていない各室を1階に設けることでイベントに対して柔軟に対応できる
ようにする。またシャープなボリュームをほぐすようになめらかな道が配されている。勉強室と大会議室に挿入されているものがコールテン鋼の間仕切り。
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2階平面図。2階には料理室や工作室、児童室など機能の決まった諸室を配置した。このようにした理由はにぎやかになると予想される1階から離すこと
で静かな空間としたかったからである。
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左上:俯瞰した写真。近隣の住宅との距離を保ちながら、地域に開く。右上:北側の写真。2階のボリュームの高さを変えることによって空間に変化をつ
ける。左下:東側の写真。エキスパンドメタルによって視線を緩やかに切る。右下:南側広場を見る。イベント時には出店が立ち並ぶ。普段は遊び場になる。
講評:実に美しい端正な建築、と思われがちだけれども、実は「広場」をつくっているのだ。散歩したり、駅までの道を急いだり、建築の間を行き来する日常。そこで生まれる交流や協働が、地域センターという場と時間をつくっていくことを彼は知っているのだと思う。(式地)