田島暖大「『止め』と『拡張』」
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人は何をもって空間を認識し、広さや快適さを感じるのだろうか。
さまざまな要素があると考えられるが、今回では外の空間に着目した。
ある一定の同じ大きさの部屋がふたつあるとする。その部屋からは外の景色が見える。ひとつは大きな庭で緑がたくさんある。しかしもうひとつはすぐにとなりの建物があり、壁である。誰もが前者の部屋を広いと感じ、快適であると答えるだろう。しかし、部屋の広さ自体は全く同じなのである。これらのことから、その部屋の空間の感じる広さ、快適さを決める要因として部屋の内部だけでなく、部屋の外部の空間も重要であると考える。外の景色が広ければ広いほど良いのは当たり前だと考えられる。ここで、部屋の外の空間が永遠に続く虚無の空間だとする。すると部屋にいる人はどのように感じるだろうか。おそらく、後者のパターンと同じく狭さを感じ、快適とは言えないだろう。したがって、外の空間が広ければよいだけではないことがわかる。重要なのは外の空間にある「止め」であると考える。なにか空間をさえぎるようなものがあり、それが人が認知する空間の境界になっているのである。外の空間が無限に広がり、「止め」がないと、その部屋の境目である窓を空間の境界と認知するために狭さを感じてしまうのである。
そこで今回のサテライトキャンパスの設計では、それぞれの諸室に対し「止め」を意識し、その距離や角度を操作することで諸室面積以上の体感広さと快適さを目指した。
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1フロアを5つのスラブで分け、高さを変えてらせん状にすることによって、1つのスラブに立った時、他6つのスラブの人と目が合う。交流の機会を通常の階層よりも増やすことができた。講評会や研究発表に適している。空間にやわらかさを出すためにスラブは曲線で作り、それによってスラブごとの隙間は溝になり、光の漏れる余地を生み出している。
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5つのスラブの隙間によって生み出される吹き抜けを縦にすべて通すのではなく、少しずつずらすことによって3層程度通る吹き抜けの連続とした。それによって吹き抜けの持つ怖さ、強さを緩和し、人が吹き抜けに寄り付き、階違いの交流を促すようにした。
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1階平面図
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2階平面図/3階平面図
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4階平面図/5階平面図
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6階平面図/7階平面図
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8階平面図/9階平面図
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屋根伏図
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東側立面図
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北側立面図
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断面図
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