波多野諒・黒田隆志・長谷川理奈・湯川智咲「秋葉原自治区計画」

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【Ⅰ.私たちは、オタクは一種の宗教と考える】

religionの意味を調べると、宗教の意味の他に、堅く守るものや魂を打ち込むものとあります。これはどういう意味でしょうか？

現実の宗教では、人々は神と現実に存在するものを関連付けることで象徴化し、崇拝してきました。

一方で、様々なオタクのうちのアイドルには、崇拝対象という意味があります。

オタクのカテゴリーは様々ありますが、彼らは、崇拝することで精神的な幸福を得ているのではないでしょうか？

また、日本人の多くは無宗教だと言われますが、オタクは日本人の宗教性とも言え、これを顕在化させる空間を作れないかと考えました。

ここで、秋葉原を見てみると、秋葉原はオタクの聖地と言われています。

現在の秋葉原は、コロナウイルスによって客層の主役であった外国人観光客は消え、テナント数は減少し、様相を失っています。

クライシスが起きている今だからこそ、趣都・秋葉原は新たな姿へ進化すると考えました。

変わりゆく趣都、それは、オタク教によって秋葉原に自治区が作られることです。

よって、私たちはオタクの聖地と呼ばれている秋葉原を、オタク教の聖地にしたいと考えました。

そして、この秋葉原自治区は、社会の理不尽から逃れ、自身の幸福を守る場所へ進化するでしょう。

【Ⅱ.壁の役割とは何か】

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赤の壁では周囲を囲うことで安全な居住空間を確保する役割を担っています。

他にも、青の壁のように囲まれた空間に壁を入れることで使用目的に応じて空間を仕切ることもできます。

【Ⅲ.自治壁のダイアグラム】

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【Ⅳ.自治区内高層建築の用途変更】

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秋葉原駅の周辺には、都市計画によりつくられた高層ビルが増えていきました。

これは、秋葉原がオタクの聖地という趣都から追いやられていることが示唆できます。

自治壁により、都市開発の象徴である高層ビルをつらぬき、趣都のための機能に変更します。

【Ⅴ.自治壁平面図】

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こちらが、自治区の配置になります。

この壁によって作られる自治区は人口は約8400人を想定しています。

【Ⅵ.検問所】

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また、壁には、東西と北に合わせてゲートA（自治区民専用）、ゲートK/ゲートB（月一のイベント時に使用）の3つの検問所を設置しました。

【ゲートA　外部パース】

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【ゲートB　外部パース】

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【各ゲート平面図】

検問所内に入ると、手を清め、手荷物検査を行い、誓いの場で12カ条を誓い、入国審査を経て、入国することができます。

もしも、虚偽の申告・違反物所持などをした場合は、１階の取り調べ室にて連行されます。

一方、出国は、手荷物検査と出国審査を経て、日本側へ入国します。

【ゲートA内部パース】

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【Ⅶ.自治壁】

入国後は、このような幅６ｍの壁内道路を通じて各壁内エリアへ向かいます。

壁の断面構成は分離の壁は高さ１５ｍ、幅員６ｍまたは１２ｍのラーメン構造です。

内部には、自治区内で必要とされるインフラが収納されており、

上から、自動倉庫システム、道路、避難場所、設備系統という構成となっています。

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【Ⅷ.アゴラボ】

現在の中央通りは壁によって、人の興味の多様さを認識すると同時に、活動に相乗効果が生まれる場所に変化します。

また、この場所は、人々が集まるアゴラであり、興味を研究するラボでもあることから、アゴラボと名付けました。

例えば刺激的で日本ではできない創作体験ができるラボは

・映画オタク→大規模セットでアクションからドキュメンタリーまでを集合知で製作可能

・機械系オタク→日本では構造物と認識される10m規模の自立式歩行ロボのプロジェクト

・鉄道オタク→車両だけでなく、線路から保安システムに至るまでを設計し、大通りで走らせる

・ボカロオタク→作曲活動だけでなく、初音ミクなどの3次元プリズムなどでの具現化(実体化)

・PCオタク→ハイパースペックのスーパーコンピュータもしくは量子コンピューターの設計製造

・宇宙オタク→宇宙の未知を探求するため秋葉原宇宙望遠鏡を作り、自前のロケットを開発し、打ち上げる

などの活動を包含します。

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また、周辺の既存の広告塔は、人々が使うメッセージボードへ変化してゆき、イベントの通知や活動の勧誘、個人的なメッセージなどが張り出される場となり、活動を促します。また、既存建築は、上層部が自動倉庫となり、下層部が住宅や店舗などになります。

【Ⅸ.この自治区によって秋葉原は社会の理不尽(体裁・経済・差別・災害・死)から逃れ自身の幸福を守るための場所となるでしょう。】

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