木名瀬仁史・妹尾美希・長嶋玲伽「KANDA SHELTER」
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神田駅西口周辺のエリアは、NTT都市開発によって今後大規模な再開発の計画が行われる可能性が高い。この再開発が行われると、神田のまちの風景は大手町や丸の内と同じように均一化された都市風景になりかねない。そもそも、再開発は経済発展や利益追求のために行われる。お金が正義である。その意見は否定できない。しかし、お金や面積効率だけを追い求めた都市の未来は、短期的に爆発的な経済効果をもたらし、明るい輝いたものに見えても、長期的に見るとその未来は暗いものになってしまうのではないか。そんな再開発には、受け入れる人と拒む人がいる。私たちは、再開発を拒むこともせず促進させることもしない提案を行う。
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講評:資本主義(お金を最大限儲ける)と懐古主義(街の風景を残したい)の対立は長い間解決を見ず、いわゆる「分断」は現代のさまざまな場面でさまざまな形で目にするものである。そういった問題に対し、どちらの肩をもつでもなく建築的なアイデアでシニカルに回答したこの作品は、再開発の波から商店街の店舗や外壁をそのまま既存のビル群にパッチワークのように避難させている。群として建つビルの凹凸や隙間を階段やバルコニーなどとしてポジティブに扱いながら、古さを持って生まれてくる建築に居場所を挿入している。欲を言えば、個別の空間の成り立ちについて語れると、より共感が深くなると感じた(横井)
KENCHIKU SHUKAN EXHIBITION 2022