大森そよ風「ミタテル」
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01.設計主旨
相反するものが共存する複合施設を提案する。
敷地調査では、力強さを感じる街の中に親しみやすさという相反するものが共存していたことで、代官山に抱いていた「敷居が高い」という既成概念が打ち壊された。
事例調査をしていくと、相反するものが共存することはそれぞれの要素が対立し互いの存在を引き立てることができ、逆に止揚し全体を豊かにすることもできると感じた。異質であるからこそ互いの存在を感じられることに魅力を感じ、相反するものが共存している複合施設をつくりたいと考えた。
相反するものを「内部」と「外部」という具体的な事象に落とし込み、商業、住戸、それぞれに「内部を感じる空間」と「外部を感じる空間」を共存させ、相反する空間をつくりだした。
02.ダイアグラム
内部空間は外部に壁(や天井)をつくることで生み出されている。
本来、一番強い壁である外壁を「内部を感じる空間」と「外部を感じる空間」の境界に移動させ、相反する空間を共存させた。
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03.商業プラン
自然光を多く取り入れた環境で作品を鑑賞する美術館がある。作品の多くは自然光の中で製作され、その状況に近い環境で鑑賞することでその作品の良さを感じることができるとされてきたからである。
この考えを店舗に応用した。
「内部を感じる空間」と「外部を感じる空間」の相反する空間をつくることによって商品を実際に使用する環境で販売することを可能にした。
〔販売例〕
・アパレルショップ
内:インナー、寝巻
外:アウター、靴、アクセサリー
https://gyazo.com/d2b9976521f50579377a58f838a6d1d7https://gyazo.com/0a4bed38feb3a2d4444ddd96e8dc2045▲左:1階平面図,右:2階平面図
04.住戸プラン
住戸という内部空間に外部に見立てた空間をつくることによって、相反するものが共存している空間をつくりだした。
〔Aタイプ〕
リビングダイニングをインナーテラスにし、共用部に向くように配置した。これによって、リビングダイニングが庭に見立てた外部を感じる空間となる。また、隣り合わせに配置することで、アクティビティを共用部まで拡張し、世帯を超えた交流を生み出す。
https://gyazo.com/fef3689cc89efd4d5a6cfb907092a2aa▲リビングダイニング
〔Bタイプ〕
玄関からベランダまで道を通した。これによって、玄関から入った時に見えるのは外の景色である。本来内部である空間をマンションの廊下に見立てた外部を感じる空間にした。また、個室に直接アクセスできるようにしたことで、ワンルームで暮す個人のお隣さんがたまたま家族であったという様なゆるい世帯の繋がりで生活することができ、nLDKという概念に捉われない住戸とした。
https://gyazo.com/41b5bf63fe1056bbfceec1a31f0d6741▲玄関から見る
〔SOHO〕
仕事スペースから見る住戸スペースを吹き抜けを用いて一軒家のファサードに見立て、内部に外部があるかのような相反する空間をつくりだした。SOHOは仕事とプライベートが一体化しやすく生活にメリハリがなくなるというデメリットがある。仕事スペースが外部を感じる空間になっていることで、住戸スペースに入る際に家に帰るような感覚を得ることができ、デメリットを解消した。
https://gyazo.com/797037ae22d45335abfec8d5fd79dc8c▲断面模型
https://gyazo.com/63233edb993498b1cc036fe075d3ea3e▲左:3階平面図,右:4階平面図
https://gyazo.com/424df8fe5d5e8eca8c1a921d079dd0e1▲5階平面詳細図
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講評:ここに記入(佐藤光彦)