大塚友貴「恐れて、憧れて。」
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設計主旨
槇文彦をはじめとする代官山建築には我々を迎え入れようとする手法が施されている。しかし、その一方でこれらの手法は「代官山」のブランドイメージによって私に恐れ多さを感じさせた。手法と心情の矛盾。私はこれこそが代官山の豊かさだと考えた。本設計ではこうした矛盾を取り除くのではなく、あえて不自由さを与えたいと考えた。ヒントとしたのは現代と過去の代官山人、つまりは住人と来訪者について「壁」という巨大なオブジェクトを落とし込むことから考える。まるでブルータリズム的な、恐れつつも憧れる建築を提案する。
PROCESS
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DIAGRAM
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ELEVATION
①住人を守るブルータリズム的な壁。②GL+1200の高さで浮遊させた壁。③1:1になった壁とvoid。④上層階にかけて密になるvoid。
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来訪者に与える情報を制限する。現代のクリエイティビティな代官山人の冒険心を奮い立たせる。
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重要なのは、「誰もが入れるのではなく、誰かが入りたくなるような、人をふるいにかける建築」を目指したことである。
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△北側立面図 △短手断面図
住戸の構成は2・3階、4・5階でそれぞれメゾネット形式とし、天井高を5mまで引き延ばすことで、下階の空気感を感じながら過ごす。
PLAN
壁によって守られた住戸空間。これにより各住戸の透明度は上がり、最低限のプライベート空間のコアを取り巻くようにガラスの中間領域ができる。
昼間はハコから突き抜けた大きなキッチンで料理教室を開き、夜は1つのハコに集まって居酒屋で食事をする。朝目を覚まし、1歩ガラスの外に出れば、朝日が差し込む中で歯を磨く。そうしてリビングが、ダイニングが、キッチンが突出した、自分の居場所に縛られない自由な暮らしを営む。
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△2階平面図 店舗兼住宅
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△1階平面図 店舗
GALLERY
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△巨大なコンクリート壁と幾何学的な凹凸デザイン。冷酷で生の素材の使用を指向するブルータリズムを意識。住人を守るための緊張感を与えながら、来訪者の冒険心を擽る。
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△1階、外周壁と店舗の隙間空間にはワークスペースやギャラリーなど、比較的静寂した活動の場として使用。また、住戸アプローチと店舗空間を明確に分けて住人の存在を確立。
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△2・3階を見下ろす。この建築に廊下は存在しない。住人にとってのイエは外周壁に囲まれた全てである。
講評:(古澤)
KENCHIKU SHUKAN EXHIBITION 2021