先崎亜美「未知満ちて密な道」
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文化の拠点があれば、人の交流がもっと厚くなる と槇文彦氏は述べている。この文化の拠点となる場所が敷地南側の代官山的路地を抽出することで可能になると考え、コンプレックスの設計を行った。代官山という地は発展が始まってから50年が経ち、このコンプレックスの存在が新たな50年のスタートとなる。
https://gyazo.com/2c774f1915e195a3ec3a632411e6eaf5(ヒルサイドテラスの分析と代官山コンプレックス)
代官山には槇文彦氏と朝倉家、この周辺に住む人、働く人が培ってきた歴史がある。その代表例としてヒルサイドテラスの散財がある。このヒルサイドテラスを分析し、道に再注目することが必要だと感じ、敷地南側の路地の抽出を行った。
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(GL+5000レベル平面図、画面上部北北東)
青が商業、ピンクが住居を示している。
それらを狭い路地、広い路地、階段や坂のある路地、曲がった路地、少し遠回りな路地が吹き抜けを持ちながら繋ぐ。
この活発に使われる路地と吹き抜けの存在に加えて、紫のオープンスペースがあることで商住が程よい距離感を保ち共存を可能とする。
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(平面詳細図)
誰でも使うことのできる路地とオープンスペースが多様に存在する。
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(断面図)
平面だけでなく断面も同じ構成で設計している。
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路地に溢れ出る生活の音や匂い、商業の賑わい、コロコロと変わる景色。
五感で文化に触れ、目的以上の体験を触発させるコンプレックスの提案。
講評:どのように代官山が発展してきたかを歴史性を整理した上で、これからの代官山の街としてのあり方を一つの建築の中で表現した秀逸な提案である。都市的なスケールでの視点でつくり始まった街が成熟期を迎え、これからは可変性の持った小さな区画単位での魅力づくりが必要であると提案している。そしてそれも過渡期を迎えると、また都市的な視点で再構築されていくだろうという、日本的な街づくりの批評性も持ち合わせた提案である。(篠崎)
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