雨宮早咲「共存する空間」
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谷中は国内外から多くの観光客が訪れているが、観光案内所は谷中銀座のそばの一か所しかない。そのため、周囲に寺院が多くあるこの敷地に寺院をメインとした観光案内所を作ることで多くの人を惹きつけられるのではないかと考え、谷中らしいプログラムとして選んだ。
観光案内所というオープンな空間と住宅というプライベートな非オープンな空間の切り替え、昔ながらの景観と現代の住宅の切り替えが重要だと考えた。この対する二つを対比させるのではなく融合することを目標に「共存」をコンセプトにした。そして、住宅内と観光案内所内が区切られていつつも、完全に隔てるのではなくお互いの存在を感じることのできる空間を目指した。また、屋根で昔ながらの景観を表現しつつも、内部は曲線や、吹抜けを設置することで現代の建築を感じられるような作りを意識した。
ダイアグラム
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敷地の北側に墓地があり広い空間が存在しているため、北側から南側に風が吹き抜けると考えられる。そのため、風が住宅を吹き抜けるように住宅全体を吹き抜けでつないだ。
プライベート空間とオープンな空間の関係性が階によって変化するような設計を意識した。
1階平面図
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2階平面図
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3階平面図
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断面図
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1階を観光案内所、2階を休憩スペース、3階を谷中についてのギャラリーとした。これを1階から2階は曲線の階段、2階はバルコニーを形成する窓ガラスを曲線に、そしてこの曲線がそのまま3階へとつながる階段に結びつくようにした。オープンな三つの空間を曲線を使い結び付け、別の階にあってもつながりを感じ、流れるように移動できるのではないかと考えた。
住宅部分は1階は観光案内所と住宅を壁で隔てて、プライベートを確保したリビングとなっている。2階は休憩スペースとダイニングをルーバーのみで仕切り、割とオープンなダイニングとしたことで、休憩スペースが住宅にとってのベランダのような存在になった。またルーバーが屋根と対応するようになっていて、屋根との統一感を出した。
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1階プライベートリビングから見上げた内観パース
1階は壁によって隔てられているが、吹抜けがあることでプライベートは確保されつつも閉塞感は感じず、上層階とのつながりを感じられるようになった。
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3階谷中ギャラリーから見た内観パース
東側を屋根の上は窓に、屋根の下は休憩スペースとつなげたことで、解放感のある空間になった。また、2階のダイニングを見ることができ、少しではあるが生活を感じることも可能になっている。
講評:ここに入力(改行は不可)(高池葉子)