遠藤美沙「スキマの住みかえ-隙間を介する機工商的設計-」
卒業設計/2023年度
https://gyazo.com/53e0a334bd874cd945a810a289e63871
幹線道路の外側から侵食され、らしさが失われていく都市開発に対して、内側に生き残る機工商を起点にモノづくりの街を回帰させ、住工一体の機工街第2章を提案する。
https://gyazo.com/bfa7564d2a66eb723a77e14baa3bf4d5
敷地である田端新町は、
工場に機械や工具を販売・メンテナンスする機工商によって作られた街である。
そうした過去の機工商の仲介的な立場を、設計者である私が担うことで、街づくりに転用させていく。
このまちの隙間をみると、住宅と工場が渡り廊下でつながっている痕跡などがあり、田端新町にとって隙間は様々な繋ぎ目であることが分かった。
そこから既存の建物間のスキマを活用し、その後既存が建て替わる際に影響を与えて既存が新しく建て変わります。繰り返され、このものづくり群が出来上がる。
https://gyazo.com/0a5b93185317a9a05b74dac94350fe8a
https://gyazo.com/3f18fe9317a7f3c34f536389c620b64b
1階部分は、工場や機工商であり、機械のシェアを行うことで、町工場が挑戦しやすい環境を作っている。
2階以上は、基本的には住宅だが、、街の子供が入りこみ遊べる場所、機工商が工場を取り持つためのメンテナンス動線など、段差をつけ、分けている。
また、住宅内部に土間を設けたり、工場同士を繋ぐ小さな銭湯を入れることで、建築自身にも繋ぎ目としてのスキマを設けている。
https://gyazo.com/b77fd0dafcf65d01ce60e45adf1365c5
https://gyazo.com/bf51e6654e0f5032e516e2eac06a9629https://gyazo.com/bf51e6654e0f5032e516e2eac06a9629
1Fは、工場や機工商が大きく開かれ、活動が可視化される。
街の人々にこの場で行われるモノづくりを知る機会を与える。
あいだに木のスキマが顔を出し、住民の暮らしぶりが緩やかに伝わる。
https://gyazo.com/180706d5d76e07077b0c4a3ab13a4773
スキマの段差は居場所を作り出す。
床、椅子、机、屋根等、スキマは様々なものに捉え直される。
https://gyazo.com/3954a7cf5cfe5947347e43b4f0ecff79
街の人々が工場を見学する動線、
機工商が工場を管理する動線、
住民のみの動線など、
様々な動線が交差しながら、交わらずある。
https://gyazo.com/1445f5c07e512e7dcf102c95e9f48f30
街の人々が工具を持ち寄ってモノづくりを行えるスペースを内在した住居5。
住民動線をらせん状にもち、住民の暮らしを溢れだす。それ自身もスキマのようである。
https://gyazo.com/57a05ff4285f12001070256777f14bb6
最後に、
私がこの卒業制作で行いたかったことは、都市の隙間を捉え直すことである。
まちの活性化に興味があり、地方都市の空洞化やシャッター商店街など、都市に生まれる隙間のなかで、
田端新町において建物間の隙間が、繋ぎ目という重要な役割を担っていることを発見した。
実際、法規や環境によって決められている建物間の隙間は、建物間である必要はなく、むしろ建築間の隙間は、暮らしの拡張や隣人同士のコミュニティの場として活用されるべきではないか。
私はスキマとケンチクは交差しあい、スキマが小さな空き地でなくなり、ケンチクがスキマになるというような、そんな都市もあるのではないかと考えている。
スキマという緩衝材を挟むことで、街とも隣人とも繋ぎ方が緩やかになる。
この提案は田端新町においての実験的な提案であり、スキマを介する機工商的設計は更地にせず、その場の記憶をもつスキマを介することで、繋がりを増幅させまちを更新してく。
これが田端新町らしい街であり、更新の仕方である。
指導教員:山中新太郎
講評:ここに入力(改行は不可)(山中新太郎)
#遠藤美沙 #卒業設計/2023年度 #2023年度