菅原悠希・中村佳乃・松田晃太「神保町のしんか」
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◇選定理由
東京都千代田区に位置する対象5地区を交通アクセス・視認性・場所の特徴の3点から比較分析し、開発用地をE地区(神保町古書店街周辺)に決定した。E地区の長所として「神保町駅直結であり高い集客力、収益性に期待できる。」「神保町交差点からの視認性に優れるる。」の2点が挙げられ、ポテンシャルとしては「界隈性・回遊性に富み、地区としての魅力がある」「同じ目的(興味)を持った人が集まることによる交流の深まりを期待できる。」の2点が挙げられた。
◇開発コンセプト
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神保町駅周辺は古書店街が広がり界隈性に富んだ地区である。そこで本提案では古書店街の文化を継承しながらも、新たな仕組みの導入による魅力向上を目指した。
◇配置計画https://gyazo.com/6159b8bc7f430c320cad025a5018e602
動線計画
靖国通り、白山通りは車通り、人通り共に多くなっている。また、すずらん通りは人通りが多くなっている。また、現状の道路は東西南北をつなぐように十字架に動線が通っている。その動線を活かして回遊性をなくさないようにした。
エントランス計画
商業エントランスは、神保町交差点と神 保町駅出入口に近い、敷地の左上に配置し た。事務所エントランスは、神保町駅出入 口に近く、白山通りに面した位置に配置し た。住居のエントランスは人通りの少ない 東側の通りに配置している。
広場計画
靖国通りと白山通りが交差している神保町交差点に面した位置に広場を配置している。この広場では、キッチンカーやマルシェ、オープンテラス、古書店祭りのメイン会場などを計画している。神保町周辺にはこのような広い広場が少ないため、神保町周辺の賑わいの拠点となることを期待している。
◇古書店街の継承
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・古書店街の街並みを残すため書店ごとにファサードデザイン変更
・統一された真新しい街並みとなることを避けている
・建物をセットバックさせ本棚を置くスペースを確保
・古書店らしい賑わいを継承すると共に十分な歩行空間を確保
・3階でセットバックさせ現状の街並みを継承
◇運営スキーム
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神田古書店街では古書店主や利用者の高齢化による文化の衰退が予想され、新たな利用者の獲得が必要である。本施設の共用部を利用した古書のレンタルを実施し、その運営スキームを提案することで、古書がより親しみやすいものとなることを目指した。
講評:神保町の古書店街の再生は長年の課題である。家業である古書店を事業継承し、さらに広幅員の靖国通りに面しており、経済性を担保しながら開発するのは難しく、賃料が上昇し、チェーン店ばかりが立ち並びがちである。そんな神保町の古書店に対して、本提案は低層階の界隈性やストリート、古書店街の街並み、店舗構成を維持しながら、公開空地に古書店祭りなど書棚が並び、開発プロジェクトを組み立てることに意欲的に取り組んだ提案である。そんな地域特性を活かしながら都市開発プロジェクトの総合力を表現した提案ともいえる。