細矢瑞稀「花開く」
南青山に住んでいる人から南青山に遊びに来た人など、目的の違う人々が交わること、交わることによってその場が盛り上がっていく空間となることをイメージし「人をつなぐ、街をつなぐ」「花開く」というコンセプトで設計をおこなった。
「人をつなぐ、街をつなぐ」
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南青山にある計画敷地は住宅エリアと商業エリアのはざまに位置しているため、住宅エリアから訪れる人と商業エリアから訪れる人の双方にアプローチする必要がある。また、計画敷地の北側は商業要素の強い空間、南側は閑静な住宅地という二面性をもった場所だと感じた。
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テナントは街での需要が高いと感じたブティックや美術館から人を呼び込めるようなアートギャラリーを提案する。
パブリック・プライベートという二面性を持った空間をオープンスペースによってつなげる。オープンスペースを中心に計画することで、人と人や空間と空間を完全に分断することなく緩やかに分けていく。
「花開く」
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スラブが重なっている部分、ずれている部分があり上から見ると花びらのような形をしている。スラブのずれている部分が上下階の人の交流やつながりを生み出すきっかけとなる。また、オープンスペースを一番上まで吹き抜けさせることで開放的で豊かな空間となり、場を華やかにさせる。
ダイアグラムhttps://gyazo.com/85a747a6425d3062235f32101c4cd647
https://gyazo.com/18c1f0e48610649b73bdcbf98cbc687e △1階平面図
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1階平面における商業部分はオープンスペースを中心にして多方向へテナントが広がっていて、住居部分は居住者用テラスがあり住民同士の交流を生み出せる場・憩いの場となる。また、オープンスペースには住宅地側・大通側の双方からアクセスすることができ、来訪者と地域の人がこのオープンスペースを介してつながりを持つことができる。
https://gyazo.com/14313ea414896a58cef558720b49f046 △2階平面図
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2階平面における商業部分は1階のオープンスペースが吹き抜けるような設計をおこなった。そうすることで、オープンスペースを開放的にし、上下階のつながりを生み出す。また、住居部分においてもテラスを吹き抜けさせることで光を取り入れたり、内部と外部のつながりを感じることができる。
https://gyazo.com/9c5a3aa198eed9f9d1cfe08433974ddd △3階平面図
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3階平面は1階・2階に比べて住居部分が多い。住居部分のバルコニーはオープンスペースのある南側を向いているものが多いため、完全なプライベート空間ではなく、街や人とのつながりを感じられる住戸である。また、住居EVの前の空間に机椅子等を設け、居住者それぞれが自由な時間を過ごせる。
商業部分では大通側のスラブをなくして、下階がより開放的な空間となるように設計をおこなった。
https://gyazo.com/5cf4d85a1e627c051c3030daf14cc139 △4階平面図
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4階平面はすべてが住居部分である。オープンスペースのある空間は吹き抜けさせつつもスラブを全体的にはりだすことによって、スラブが下階の視界を遮り、3階の住戸よりもプライベート性の高い住戸となっている。また、住居EVの前は3階からの吹き抜けとなっていて空間のつながりを感じることができる。
https://gyazo.com/7a87706d1e8a5208c05121c1d96fdbf7 △住戸詳細図
https://gyazo.com/78f2e01c3fd0bae95f0cc1df62d8fd80 △立面図・断面図
講評:吹き抜けと階段をうまくずらしながら、自然光をうまく下の階まで取り入れ、活性化した立体的な広場を形成することに成功している。住居部分も各住戸はオーソドックスな構成ながらも、斜めの線や奥行きの変化で多様な表情を見せている。南側採光を原則とした住居の構成は非常に良いが、大通り側の廊下の表現に一工夫ほしかった。(永曽)