福原実「思い出のある家」
建築設計Ⅰ 谷中の住宅/2022年度
https://gyazo.com/2c69d2cc3fef8dab6e5a89524d341cb0
本設計の舞台となった谷中は、江戸後期からの街並みからなる下町風情が残る街である。設計の対象敷地には現在HAGISOという複合施設がある。この建物は1955年からは木造アパートとして、2004年からはアトリエ兼シェアハウスとして使われ、2013年の改修をえて現在の姿となった。そこで今回の設計では建物の記憶を残しながら設計し、新旧の要素が絡み合う住宅を提案する。
現在のHAGISOはそそり立つ様な外壁で、周辺の道路に圧迫感を与えているように感じる。そこでHAGISOの壁を取り払い柱と梁などを残すことで、建物の記憶を残しながら周囲の道路に解放感を与える事が出来た。さらに1階部分に大階段を設ける事で、通行人の視線が後方のお墓から外れ、自然に空へと向かう。また既存の垂木を持ち上げ3階部分を作ることで住宅の延床面積を確保した。そしてこの建築で象徴的な大階段からなる空間を、谷中の町とつながるスペースとした。これらの一連の操作のなかで新旧の要素が絡み合い、様々なアクティビティが発生した。
https://gyazo.com/725079b1605bd654d148837a7465d0f0
https://gyazo.com/63a443b5e611f8ce9ac8e224fa48db49
https://gyazo.com/4db2e8bd636580fb78b55e17dc9ed4da
https://gyazo.com/b96ecd4c4ccadb9b0f4aea4ad2b57220
https://gyazo.com/5ecb95a1e8e05b30bacaaa3089e18a57
指導教員:大平貴臣
講評:既存躯体を残しながら、新たなボリュームを構築することで、新旧を重ね合わせて新しい建築をつくるという野心的な提案。2層目を躯体だけの階段広場とすることで、街に開放的な抜けを与えつつ、多層でありながらも住宅スペースが各々屋根下にある状況を生んでいるのがユニークである。また、既存躯体とずらしたレベル設定にすることで、梁が家具的に使われるなど良い視点のアイデアが散りばめられている。新旧の取り合いや構造的な視点など検討の余地が多くあるが、魅力的な提案になっていると思う(大平)
#福原実 #2022年度 #建築設計I #谷中の住宅 #台東区谷中 #作品/2022年度