橋本大志「Zig Zag 寄り添い、繋ぐ壁」
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設計趣旨
計画敷地の持つ住と商の2面的な側面に着目し壁をテーマとした建築を提案する。通常、集合住宅に店鋪などが複合された建築は立面的に商業の雰囲気と住宅の雰囲気が分けられ、住宅の雰囲気が宙に浮かされたような印象を与えてくる。しかし、今回の敷地においてそのような分け方をすると、敷地裏側の住宅街に商業の雰囲気が侵食し、敷地の持つ2面的な雰囲気を壊してしまうように感じた。そこで私は敷地の真ん中に、領域を平面的に分けつつ視線や人が通り抜ける壁を建てることで分かちなからもつながる、計画敷地にふさわしい空間ができると考えた。駅から歩いてきた人の視線を受け止めながらも、緩やかな角度を振り敷地奥へと続く壁は住人・商人・来訪者のそれぞれを繋ぎ、寄り添う心地の良い場所となるだろう。
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講評:計画地の持つ特性である商業エリアと住宅地の2項対立を素直に受け入れながら、その文脈に沿って両者を明確に分け隔てるジグザグに蛇行する壁の表と裏に、視線や人の流れを誘い込んでいるところがこの作品の最大の魅力である。複合する用途を当たりまえに上下に分けて積むのではなく、装置としての‘壁’の持つ視覚的な効果とそこに穿たれた開口部の意味を考えて考えて、橋本君はようやくこのかたちに辿り着くことができた。(水野)