小俣陽也「時を重ねる建築」
建築設計Ⅳ 代官山コンプレックス/2021年度
https://gyazo.com/1c85441233eadf941de3dfb8d3fdbbadこの建築は、時を重ねる。それはこの施設を訪れる人々の活動でもあり、建物が地域い馴染んでいく様子でもある。「時間」は固定的な定義を持つものだが「時」は流動的でそれぞれが体験する世界観ともいうべきものではないだろうか。ここで観光する人、生活する人、この建物に関わる人がそれぞれの世界を積み上げていくことでこの建物は存在する。
三棟の分棟型。各階に回されたテラス兼回廊の空間と、それぞれの棟を横断する横に伸びた共用空間によって、この建物を利用する人々がつくりだす世界をつないでいく。
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▲ダイアグラム
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▲外装にエキスパンドメタルを用いて、少しづつ時間をかけながら壁面緑化していくことで緑の多い代官山にじっくりと建物が馴染む。
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▲三棟をつなぐ通路部分では各階でずらしながら設けた吹き抜けによってつながりを持たせる。
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▲3階から6階までは住戸エリアで、各階2.5m幅のテラス兼回廊がまわっている。住人にとっては外部での活動が自由に行えるテラスであり、プライベートな住戸内部とパブリックな外部とをつなぐ緩衝空間でもある。
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▲地下、1階、2階は商業エリアで、立体的に3層を回遊することが可能である。
指導教員:水野吉樹
講評:環境に配慮して分節されたヴォリウムが、周辺の建築群から引用した2つの軸線の組み合わせから造形されていて、敷地のコンテクストから導き出した素直なかたちには説得力と必然性が感じられる。3棟をつなぐ共用部の断面計画が特に秀逸で、低層部3層の商業空間の回遊動線も楽しそうだ。プライバシーを適度に守るエキスパンドメタルと壁面緑化でやさしく包み込んだ外装のデザインが、内部と外部をあいまいにして、住宅の専有部をより豊かな空間とした。時とともにこの街に馴染んでゆく姿を見てみたいと思わせる作品となった。(水野吉樹)
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