安藤美月「Bule Mountain'sー青山氏による広がる都市ー」
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資本主義の発達により実際に住んでいない人が開発を行い、結果としてもとより住んでいる人の望まない状況が増えている。近郊や地方の商業施設は愛され、利用者も多いが次々閉店し減少し、マンションに置き換わっていき商業施設は一点集中で作られる。その一方で都心では住宅が追いやられ次から次へと商業施設が建ち、緑は減っていく。この状況はますます職住分離を強め住と職・商を分離する。よって我々は交通を利用し、ストレスを感じながら交通を利用し、職場・ショッピングに出かけなくてはならない。これでよいのだろうか。
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敷地周辺の南青山・表参道エリアは商業施設が多く点在している商業の都市であり住宅の都市でもある。過去に集合住宅などが多くあり現在も集合住宅や戸建て住宅の多くが街のはずれや上にある。商業施設は非日常感がある。商業区画の都市、住宅区画の都市と分離し互いに交わる事はない。きっぱりと分かれていることに違和感を感じた。
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●青山氏による都市
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青山家27代目当主の青山忠靖さんは人材育成に力を入れている。そのため青山忠靖さんと一族は敷地に住み職住一致で敷地内の店舗運営の援助、教育をする。青山氏中心で敷地を運営し、ルーツのある人、住む人で建築をつくり、職住一致の都市をつくり上げる。また店舗はチェーン店ではなく、個人の住んでいる本人が運営するテナントにする。テナントの種類はコスメブティック、雑貨など住んでいる人の生活に使う物、元々敷地周辺にあるものだ。そして、一族の誰かやルーツのある人、周辺に住んでいる人が住み引き継ぎルーツのある人による運営が続く。
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●プランニング
スロープ
スロープを使用する事で縦方向に地続きを作り上げ、積み上げられた都市ができる。
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職住一致の模倣
つい最近まで日本は商店街などの形をとり、職住一致が多かった。それを模倣する。
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●外部と住居の関わり
スロープでつながる事でそれぞれの住居が独立して存在する。ここからできる街路空間を通して住居の住民は外部空間を外部空間の人は内部を感じ取る事ができる。また、北側の住居に関しては半透明のカーテンウォールが設けられている自然光と外部の雰囲気を感じられる。
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●展示空間について
展示空間は室内にもある。屋外の展示空間はスロープの住居部分の反対に位置しスロープが住居部分と展示空間を繋ぐ。また、500mmの隙間から住む人の声、生活音、においを感じ取る事ができる。これは逆もしかり。また、展示される作品は写真などであり、展示空間は基本的に青山氏が運営する事となる。
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●オープンスペースについて
オープンスペースは敷地の中心に位置する。上から日光が降り注ぎ、周りは囲まれ包まれるような安心感があるまたアイストップとなり、通りかかる人を誘いこむ形となっている。その為、訪れる人の止まり木のような場所にする。訪れた人は休憩、待ち合わせに使い、訪れた子どもたちも走り回ってあそぶ。設置されている椅子はソシオフーガルとソシオペタルが組み合わさり利用者のニーズに合わせて変化する。
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講評:クライアントの設定から始め、単に建築を作るのではなく、この建築の持続性につなげた着目点が素晴らしい。メゾネットをうまく利用しながら、住居動線とパブリック動線をうまく分離し、プライバシーを確保しながらスロープで空間を作り上げている。最終的に図面表現も良くできており、行ってみたくなる楽しそうな場所に仕上がっている。(永曾琢夫)