大野楓「葉根木の木漏れ日」
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木漏れ日に包まれながら遊ぶ子供たちの姿
羽根木公園へ敷地調査に訪れた際に、印象に残ったのは木漏れ日に包まれながら遊ぶ子供たちや木陰で梅の花を眺める老夫婦の姿であった。都心という環境の中で自然を全身に浴びながら時間を過ごす人々の風景を壊さない子ども食堂を目指した。
木の根元に様々な人が自然と集まり、自由に使い、木々を感じる。そんな子ども食堂を提案する。
敷地調査:木々に囲まれ、木漏れ日が差し込む羽根木公園
梅の花を見ながらお弁当を食べる老夫婦、遊具や広場で遊ぶ子供たち、グラウンドで野球を楽しむ少年…。
様々な人が自然の中で穏やかに時間を過ごす姿が印象的な羽根木公園の一角に子ども食堂を計画する。
計画敷地は住宅街に面した角地であり、現状は周りが木に囲まれている。個の木々に囲まれているという羽根木公園の良さを残しながら、人々がそれぞれの時間を過ごすことのできる子ども食堂を目指した。
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十字路に面している既存の木をなくし動線を確保して動線を作り、住宅街からも人が入りやすいようにした。また、公園側には広場を作ることで公園と子ども食堂の境界線を曖昧にし、心理的にも入りやすいようにしている。
https://gyazo.com/a029a1b0bb4a7a6bfe9a36850a7dd2ce事務室、調理スペース、食堂スペース、多目的スペースは連続しており、それぞれをスロープでつなぐことでバリアフリーとなっている。また、調理スペース、食堂スペース、多目的スペースは壁をつくらずに床のレベル差で空間を区切っており、このことで多目的スペースの使い方が広がっている。
https://gyazo.com/8e7edde532e11b4a9a616cea6f9c0acd一つの部屋に複数枚の屋根が張られている。それらは西側と南側に隙間をつくっているため太陽の光が入り、室内に木漏れ日のような光を差す。
https://gyazo.com/f6f14f9bc62ae7a1c43223b85a221370↑調理スペースから全体が見れるのいいよね♪
https://gyazo.com/64ac8d27a417b2f186074e6d57189efd広場には葉っぱの形をしたシェルターが覆っており葉っぱの形の影を落とす。
https://gyazo.com/c323dcfd5a71ae1257bc4209469bb5c1この食堂は木をイメージしてデザインしており広場の部分が「根」食堂部分が「幹」シェルターが「枝と葉」となっている。
https://gyazo.com/e35350e3c5945c4bf4e9e08be8bf0fd1↑木が組まれてる感じいいよね、全部繋がってるんだよ♪
講評:樹木をモチーフとしながら、巧みに建築フレームへと落とし込み、圧倒的な造形によって組立てられた提案である。スキップフロアで緩やかに室を分節しながら建物を持ち上げることで、外部にはピロティ空間を設え、東屋のような場も計画するなど、公園の中にふさわしい、新たな居場所の可能性を提示している。(近藤創順)