前澤実優「シェアハウス エン」
建築設計Ⅱ 住宅/2020年度
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台東区谷中の設計敷地は住宅街の一角に位置する。近所の商店街を中心に観光客が訪れ、徒歩圏内に芸術大学がある。これらの敷地調査からこの敷地に建つ住宅を、芸術家やクリエーターが集い観光客や周辺住民が作品を鑑賞できるシェアハウスにすることにした。
自分の作品をより多くの人に見てもらいたい芸術家と常に新しいものを求める現代人を引き合わせるシェアハウス「エン」。外部と内部の間にバッファーとして設けられた展示可能なエリアは円形の回廊となっているため、散歩がてらに作品鑑賞が可能だ。
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△ダイアグラムと使われ方
バッファー空間の窓(戸)の開け閉めでバッファーの活用方法が変化する。開け放つと庭と一体化した縁側のような空間になり、住人はそこで寛ぎながら物づくりに取り組むかもしれない。全て締め切ると、外部の人の出入りを断つことができるので、集中したいときは締め切って使う。出入り口を固定する場合は出入りする人の流れを誘導することが可能なため、作品を展示するギャラリーとして活用することができる。
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△平面図
円形の庭を中心としたプランニング。中央の庭からバッファーを挟んでコモンスペースや各個室が配置されている。一般に開放している庭から奥に進むほどセキュリティが強化される。各個室ごとに設けられた小さな庭が個室に個性を与えるなど、統一感のある建物の造形に植物がアクセントとなっている。
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△詳細
各室が繋がりを持つ連続性の他にも、各空間で起こるだろう事柄を想像しながら各室の個性を尊重して設計を行った。庭とバッファーの関係性がメインの空間ではあるが、そこの空間だけではなく、道路から庭に入るアプローチや2階からの庭の眺めなどに留意して設計したことで、住人の生活をイメージしやすい計画となった。
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△南側立面図と模型写真
敷地一杯を使って設計しているため、道路に対して圧迫感があるという問題点があったが、軒を道路側に下げたり、壁に高低差や開口をつけて、随所に植物を植えることで印象を和らげた。さらに、仕上げ素材を珪藻土とすることで、建物そのものに柔らかさを与えた。
指導教員:仲條雪
講評:観光地化した商店街と、閉じた住宅が共存する地域の性格を把握してから、プログラム、形態を構築している。商店街と閉じた住宅をつなぐような住人像と場所(バッファー)、人を招き入れるような形態が創られている。(仲條)
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